ヘタレ船長と二人の女海賊
塀の中、檻の中の生活。

監獄は同業者が腐るほどいて、退屈はしなかった。

が、ドイツもコイツも死んだ魚の目ぇして、無気力に監獄暮らしを送っていた。

…言っておくが、ここから俺達ラカム一味の脱獄から海賊への返り咲きを期待して、俺の話を聞いているんならやめときな。

この大航海時代は、そんなに甘くねぇ。

物語のように都合よくはいかねぇんだ。

堅牢な監獄。

蟻の這い出る隙間もねぇほどの警備。

四六時中監視の目を光らせる獄卒。

とてもじゃねぇが、脱獄する隙なんて見つかりっこなかった。

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