てるてる坊主の恋
□てるてる坊主と空の校舎
『ありがとうございましたー!!』


体育館にお礼を言って、今日の部活は終わり。(どうして礼をするのかは知らない。きっと“伝統”というやつ)

ちらっと隣のコートで練習をする男子を見ると、どうやらそっちももうすぐ終わるようだった。



「のぞみー。帰りマック寄ってこーよー」

「ごめん。今日はパス」

「えー」

「職員室行かなきゃいけないの。だから先に帰ってて」


「ちぇー」と不貞腐れるチームメイトに謝りつつ、私は逸る心を抑えてた。

進路のことで先生に呼ばれていたのは本当。

だけど、それよりも、



(誰にも見つからないようにしなくちゃ)





私は美術室に用がある。



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