ねぇ、聞こえてる?

留守番電話…

電話越しに必死で泣きながら私に伝える颯のお母さん。

走って病院に向かったが、

目をつむったまま動かない颯を見るのがつらくて見てられなかった…

颯のお母さんが「これ…じゅりちゃん宛てだったわ…」

と颯の携帯を渡してくれた

画面を見ると、携帯のメモに思いがつづられていた。



「俺ってじゅりをどこまで好きなんだろう。
じゅりに誤解されたままなんて嫌だ。
けど、じゅり電話も出てくんねえ。
俺じゅりに本当のこと言って、それから
指輪持ってプロポーズしに行こう。

じゅりと結婚したら子供2人つくって、幸せに暮らしてー。
じゅり好きだーって叫びてー。
じゅり…。
絶対お前を幸せにするから。
他の男んところなんて行くな。
俺から離れるな。
俺がじゅりの一番近くにいたいのに…。

まじで好きなんだよ…。」

バカ…

ホントバカだよね…私。

なんで意地張ってたんだろう…

もっと素直になればよかった。

涙が止まらないよ…

「大好きだよぉ…っ」

私は自分の携帯の画面をのぞいた。

“留守番電話1件”

となっていたので、とっさに聞く。

ピー…

「ガサっ…ゴンっ…あ…俺だけど…今から話してーんだけど…。
今から出てこれるか?…俺来るまで待ってるから…うわっっっ!!!
キキーィ!!!!!!!!」

プーっプーっプーっ…

留守電いれてる最中に衝突したのか、とても鈍い音がして切れてしまった。

「そ……ぉ…っ」














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