apricot




その日は、バスがすごく混んでいた。



混んでいるバスはダイキライ。




乗り込み口から、もう人が溢れそうで
しかも男ばっかりで
どうしよう。





その時だった。





大きな手が伸びてきて、人を掻き分けて
通り道を作ってくれた。




同じ制服の、黒髪の男の人。




「早く乗りな。」




まるで、王子様みたいだった。





< 36 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop