バラとひまわり
Side未来



零君と帰ってる最中、あたしはふと、昔の事を思い出した。



あたしの初恋の事。
あたしは小さい時から、父親がいなかったため、お母さんとお姉ちゃんと暮らして来た。




だからか、男の人との面識がなく、とにかく男の人は怖い人だって思ってた。




ある日あたしの幼稚園に男の先生が来た。
いい先生だったんだけど、あたしはとにかく避けてたから、先生は心配してあたしと二人で話したいって言って来た。




あたしの手を掴むからあたしは精一杯振りほどこうとしたけど、無理で、泣きそうだったのを助けてくれたのはある男の子だった。

『おい、先生嫌がってるじゃん。はなせよ』



あたしはその日からその子に恋をしたんだよね…



これが、あたしの初恋だった。



今日あった事も、なんか、あたしの初恋と同じ場面だったから、思い出しちゃった。




だから、ほとんど零君と無言で帰っちゃったんだ。




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