Slow Magic ~星が見守る愛~


私の手に乗せた…


いつもまん丸な目が、薄くほとんど開いていない状態だった。



でも、必死で…


生きようと


してる。




呼吸をするかすかな動きだけが、望みを持たせてくれた。




涙が止まらなくて…


手のひらの上のぬくもりを感じて、涙がどんどん溢れた。






祈るしかなかった。




おでこを撫でる。


また毛が抜けた。




「りゅーたん…りゅーたん!!」


必死で呼ぶと…


体が反応するんだ。




聞こえるんだね。




私の声の方に顔を動かしたようにも見えた。




少し開いた口から、小さな小さな歯が見えた。


かわいい歯…





いつもひまわりのタネをかじってた歯。


口いっぱいにひまわりのタネを頬張って、いろんなところに隠したね。




時々、部屋の片隅でひまわりのタネを見つけたっけ。




お願い…



りゅうたん…




頑張って!!



まだまだこれから


たくさん思い出作らなきゃ…




お願いだよ。




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