Slow Magic ~星が見守る愛~

隆介の心の中

  

「俺といて、楽しい?」


私は消えたTVの画面に写る隆介の姿を見ていた。

すぐ隣から感じる視線を感じて、体がおかしくなりそうだった。



「…うん。いじわるだけど・・・」


私は隆介を見ることが出来なかった。

それは、TVに写る隆介が真っ直ぐに私を見つめていたから…



どうしよぉ…


まさか…このまま押し倒されたりして…



嬉しいけど…心の準備が…



「こっち、来れば?」



隆介が、不自然に空いた2人の間の空間を指差す。


目が合った。




きゃぁ…!!!!


隆介の目…なんだか熱い。



絶対…この後、何かある…




「来ないなら、俺が行く・・・」



隆介が、よっこらしょって私の方に近付いて座った。


どうしたの?


暑苦しいからいつも離れろって言うのに…


どうしちゃったの?



心臓の音、絶対聞こえてる…




ドクドクドクドク…



あれ?



ドクドクドク…



隆介の心臓の音も聞こえる。


体が触れ合ってるせいか、隆介の緊張までが伝わってくる。



「はい…」


隆介が…


左手を…!!!!


私の顔の前に出す。



「早く出せ・・・お前の手!」



えぇ~~~~!!


まだ手とか繋いだこともないのに…


こんな近くで…手、握られたら…マジで気絶する。



無理やり引っ張られた私の右手が隆介の左手に包まれた。



不思議…




ドキドキするんだけど…さっきまでのような緊張がスーッと消えちゃうような不思議な感覚。





落ち着くんだ。




「美亜の手、握るの初めてだな…」


「うん・・・・・・」


私は、魔法にかかったかのように頭がボ~っとしてる。



隆介の手は見た目はごつごつしてるんだけど、繋いでみると柔らかかった。

お互いほんのり湿ってるせいか、吸い寄せられるように密着してた。



< 37 / 373 >

この作品をシェア

pagetop