COLORS【白】W ─ダブル─
今日は桜の五回忌。花を持って私は一人お墓に向かう。

「おすっ」
そこには既に先客が居た。

「……穂稀」
そろそろ彼とちゃんと向き合えるようにならなきゃって。
素直にならないとだよね。
手を合わせ桜に自分の思っていることを告げる。

「話はできたか?」

「私も穂稀のことが好きだったんだよって言ったの」
目を静かに開けて立ち上がった。

「私も……?じゃあ桜も」

「そう。穂稀のこと大好きだんだったよ」

「そっか……」

「桜がね、やっと素直になれたねだって」

「……幼なじみもやっと解消だな」

「うん」


ねぇ、桜。

またいつか自分の意志で描きたいって思った時に、
もう一度ちゃんと向き合ってみてもいいかな。


あの……白いキャンバスに。



END
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