先生は女子高生!?
「…なんてね☆」

「えっ?」

 私からゆっくりと離れるハヤト。

「嫌がる女の人に、無理やり手ぇ出したりしませんよ。」

 また、にた~っと笑うハヤト。

 こ、こいつ…。

「それに嫌われても、困るからね。」

 ぎゃっ、ウィンクまでしやがる!

「もうとっくに、あんたなんか嫌いよ。」

 ハヤトを睨みつける私。

 肩をすぼめるハヤト。

「冷たいなぁ。

 まー、また遊びに来るよ。」

 少し真顔になると、ハヤトは窓をがらりと開けた。

「バイバイ。」

 軽くジャンプして窓を越えて、外へ出るハヤト。

「ふー…。」

 何とか息を整える。

 びっくりした。

 本気で襲われちゃうのかと思った。

 ていうか、同い年なのにね…。

「やっぱ恋愛してないから、奥手になってるのかな…。」

 ハヤト。

 名字だってよく知らないけど、まぁまぁのイケメン。

 チャラそうだけど、そんなに性格は悪くないみたい。

 …ちょっと強引だけど!

「もし私が、普通の女子高生だったら…どうなのかな?」

 …想像つかない。

 どの高校に行ってるんだろう、

 どんな制服を着てるんだろう、

 どんな友達と付き合ってるんだろう、

 …彼氏はいるのかな。

「この高校に、高校生として入ってたら、どうなってたのかな。」

 近くの椅子にポンと座る。

 天井を見上げる。

 うーん…。

 ハヤトみたいなやつと、出会ってるのかな?

 コンコン。

「あっ、はい。」

 私は扉の方へ駆け寄った。

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