図書室のラブレター
STAGE5

Straight―まっすぐ―




私はとにかく走った。



苦手な運動だけど、そんな弱音を
こんな時に言ってはいられない。




息も切れ切れに
学校に向けて走る。



近づく度に、
生徒たちが逆方向に走って行く。




まるで化け物でも
見たような表情をしていた。



そして逃げ去っていくのだ。




私はもうすぐ門に辿り着く。



もう、息も切れ切れだ。




門前に見覚えのある
後姿が座り込んでいた。




(結依…)




間違いない。




「結依!!」




その私の声に振り返る。


< 159 / 293 >

この作品をシェア

pagetop