聖花学園~花よ咲き誇れ~
「お母さん? ただいまー」

 そう言いながらわたしは靴を脱いで居間に向かう。


 居間には既にドレスアップしたお母さんがいた。


 落ち着いた赤を基調としたドレスは、四十代に突入したとは思えないほど若く見えるお母さんには良く似合っている。


「あらお帰り……久しぶりね……って言うかずいぶん変わったわね?」


 あ、そっか。
 お母さんはこの姿になってから会ってなかったけ。


「あはは。うん、同じ寮の先輩とかに色々改造されちゃって……」

「へぇ……でもいいわよ? うん、綺麗になったわ」


 その褒め言葉に、母親とはいえ照れてしまった。

「そ、そう? ありがとう……」



< 349 / 380 >

この作品をシェア

pagetop