聖花学園~花よ咲き誇れ~
「こんにちわ、小都子さん。荷解き大変でしょうから、手伝いに来ました」

「……同じく……」


 そう言って二人は微笑む。


 うわっ、何!? 凄い優しい、この先輩達!


 わたしは胸がじん……と熱くなるのと同時に、先輩方の微笑みにノックアウトされた。


「あ、有り難う御座います。実はあまりにも多いからどうしようか迷ってたところだったんです」


 本当は面倒でやる気もなかったのだが、せっかく来てくれた先輩達に言えるわけが無い。

 嘘も方便とはこのことだ。


「そうですか? じゃあ丁度良かったんですね。では失礼します」

「お邪魔……します……」


 そうしてわたしは12時までの一時間、ちゃっかり先輩達に手伝ってもらって、山積みのダンボールを片付けたのだった。

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