聖花学園~花よ咲き誇れ~
 途中で少女も気付き、ノートはすぐに拾い終わった。


「はい、今度は気をつけてね」

 拾ったノートを手渡しながら、わたしは最後にもう一度微笑んで少女から離れた。


「あ、あの!」

 少女の声に立ち止まり振り向く。

「有り難う御座いました!」

 頬を僅かに染めた少女は可愛らしかった。

「どういたしまして」

 優しく返事をして、わたしはまた歩き出す。



 角を曲がるまで、後ろに少女の視線を感じた。




< 74 / 380 >

この作品をシェア

pagetop