聖花学園~花よ咲き誇れ~
 そして破いた封筒を一番近くにあるゴミ箱に捨てる。

 わたしはその一部始終をただ呆気にとられて見ていた。


「帰るぞ」

 戻って来た流依にまた手を引かれて、わたしは学園を出る。




 帰り道、流依は何も話さなかった。
 手も離してくれる気配はなく、わたしはホントにどうしていいか分からなくなった。


 寮の玄関について、やっと手を離してくれた流依は真剣な顔でわたしに言う。

「これからは、授業中以外の時間はフラワーの誰かと一緒に行動するんだ。登下校もな」

「……何で?」

 突然の指示に、わたしは怒りより疑問を持った。



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