桃びる


「…なんて」


彼は、春の口元を見た。

この口から滑り落ちる
言葉たちは真実か。

見極める術など、まだ
知らない彼なりの必死の抵抗。


春に騙されない、賭け。


「俺、何考えてんだ…」


見失ってしまうのなら、
考えることを、やめればいい。


ただ、それだけ、なのに…


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