僕様王子に全てを奪われて
「んじゃ、遠慮なく…」

有栖川がにっこりを幸せそうな笑みを浮かべた

「嫌がってるのに最後までやるの?」

有栖川の背中から低い声が聞こえてきた

は…はいぃ?

誰か、この部屋にいるんですかっ?

私は恥ずかしくて、有栖川の着物を引っ張って顔を隠した

「無粋な質問だとは思いませんか?」

有栖川が体を起こすと、私を背中で隠してくれた

「嫌がってるのが聞こえるのに、待ってるのが苦痛なだけ」

もしかして竜ちゃん?

なんで?

どうして?
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