僕様王子に全てを奪われて
冴子は私を追い詰めて、何をしたいのかしら?

華道の世界から、私はもう足を洗ったのよ?

いじめる必要なんてないと思うけど?

それとも…まだいじめ足りない?

私、冴子に何をしたのかな?

何もしてないよ

なのに、どうして?

なんで私はアナタの標的になるの?

「そうでしょうね
だから…なんですか?
私は生きていくのに、必死なだけですから」

私は、電話を切った

携帯の待ち受け画面を見て、私の体が固まった

「え? …これって」

見覚えのある画像だった

視線をあげると、有栖川の顔を見つめる

有栖川の頬が一気に真っ赤になった

「あ…えっと、その」

あはは、と乾いた笑い声をあげながら、有栖川が私の手から携帯を取った

< 34 / 235 >

この作品をシェア

pagetop