遊女と経営者の恋愛事情-Ⅱ-
「……何があった?」
本当はな。
俺から問い掛けて聞き出したくはない。
結衣が自分から話してくれるのを
期待してんだ。
「…ううん。何もないよ?本当に眠たかっただけだよ」
身体を起き上がらせると
ベッドに座ったまま微笑むお前。
「……………嘘付くな」
「……嘘なんてついてないよ。本当だよ」
まだ…自分から言えないのな。
いつになったら…。
心を開いてくれんだ…?
それとも…あれか…。
俺が言えない状況を作ってんのか…?