シンシア ( l )
爆風で外に投げ出された慶吾は、目が元に戻っていてニースリーの十階の窓と壁を見ていた。 (何も壊れてない!?) キツネにつままれた様子だった。

落ちていく、空に向かって・・・。 宇宙飛行士みたいに中空を浮いていく。
屋上が見えた。 次第に遠のいていく。 空を向いて止まった。
「あなた凄いね。 飛べるんだ〜・・・でも正直にお話するけど貴方は、間違っている。 人間の重力は、逆だよ。 また私、強い人好きだけど・・・横暴過ぎるのはね〜。 目を覚ましなよ。 まだ、やり直しがきくからさ〜、夢は、叶えるもんだよ、バアバ〜イ」 目の綺麗な美女が言った。 ほほにチュッとキスをして手を振った。

「うわっ!?」
急加速で下に落ちて行った。
そして二階のポテトマッシャーに落ちた。
バン・バ〜ン、バッシャッ、シ・ャ・ー・ン・・・。
ニースリーの周りの人達に豪雨と赤い雨が勢いよく降り掛かり襲った。
「うっわ〜っ」
みんなが身を縮めた。
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