お兄ちゃんの気持ち
いつの日にか
「いい天気だし、お弁当もって公園いかない?」

朝目が覚めたら、とてもきれいな青空で。

少し離れた場所にある大きな公園ではチューリップが咲き始めたとテレビで言っていた。

「公園?」

カウンターに用意したお弁当を見ながら、コウスケさんがコーヒーを飲んでいて。

「それで朝早くからキッチンにいたんだね」

休日にしては起きるのが早いと思ったよ、なんて笑っていた。

「だって、チューリップ見たいし…」

実は、先週から計画していた今日のお弁当。

チューリップが咲き始めたニュースをみて、すぐに週末の天気をチェックした。

天気予報は晴れ。

毎日日曜日の天気チェックを欠かさなかったんだよね。

「お弁当も食べたいし、公園行こうか」

からになったマグカップを持ち、洗い物をしている私のもとへ来たコウスケさんは、チュッと音をたてて頬にキスをすると私が洗ったものを拭いてくれた。

食器がきれいに片付いてから出掛ける準備をして。
家を出たのは10時を過ぎたところだった。

「国営公園?」

「うん。テレビでやってたの」

車で少し走ったところにある、国営の大きな公園。

川の近くにあり、季節に色とりどりの花が咲く花壇と、大きなアスレチックがある。

私が小学生の頃にできた公園で、その当時はアスレチックは無かったんだけど、数年前に出来てからは毎年花の季節には家族連れで賑わっていた。

コウスケさんとは、始めていく公園。

「懐かしい」
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