Strawberry on the shortcakes



――キッズは藤代が好きなの――




修ちゃんが呆然とそう訊いた時



  キーンコーン カーンコーン



予鈴が鳴って



「……あ。
私、もう教室に戻るね」


お財布と空っぽのバナナ汁粉の缶を持って一歩踏み出す



「待ってキッズ」


グッ
修ちゃんが私の手首を強く掴み



「否定……しないんだ」



掠れた修ちゃんの声に



「……誰にも言わないでね」



小さな声で答えると


スルッ………


脱力したように


私の手首を掴んだ


修ちゃんの手がほどけ


落ちて行った




「じゃ、じゃあね、修ちゃん」



修ちゃんを自販機の前に残して



パタパタ廊下を小走りした



――ドキドキ ドキドキ


修ちゃんにバレた


藤代先生が好きだって


紗智も気付いてるし


私って そんなに わかりやすい?



自分の好きな人を


誰かに知られるのって


恥ずかしくて くすぐったい



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