Strawberry on the shortcakes




――――そばにいてくれた優しい人の気持ちを考えてあげなさい






先生だって
気がつくくらいなのに



そばにいてもらった私は
自分のことばかり




カクッと
ひざから力が抜けるように
崩れ落ち
床に座りこむ



ぼんやり焦点の合わない目で
両の手のひらを見つめた



私の手は 小さい



大好きな人の孤独を知っても
何もできない



そばにいてくれた人の
優しさに甘えて
思いやることをしなかった




涙も出ない



私に泣く資格がない



身代わりになる


先生にそう言ったけど


身代わりじゃダメなんだ


身代わりじゃ、また先生は思い出ばかり見てしまう



先生は今まで


結と同じ姿をした私を見て


どんな気持ちだったんだろう



もしかしたら私が


私が先生を
寂しくさせたのかも知れない




先生を
あきらめると決めた時から


修ちゃんは ずっと私の隣で笑ってくれてた



修ちゃんは いつから私を想ってくれていたのだろう



私が先生を想う度
どれだけ
修ちゃんを傷つけただろう




私の手はこんなに小さい



誰にも優しくできない


そのくせ


たくさん傷つける…………




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