Strawberry on the shortcakes



どこを どう走ったかなんて
わからない



校舎の端の使われていない教室に駆け込み



ドアを閉めて寄りかかる


「はぁ………」と吐いた息は暗闇に消えて行く




頬を伝って流れる涙が


唇の隙間に流れこんで


しょっぱい味が
口全体に広がった



ドアに背中をつけたまま



ズルズルと床に崩れ落ちて




「ああぁぁぁ―――――――っ」




なりふり構わず泣き叫んだ



もう何も残されてなかった



何一つ残されてなかった




胸に身体中に駆け巡る痛みは



言葉になんかならなくて



「うわぁぁ……あぁ――――」



何度 叫んだって



苦しみが次々に湧いてくる





ずっと そばにいたかった




先生の隣にいたかった




先生を過去から引き上げるのは私でありたかった




後夜祭の賑やかな音楽が遠くから聴こえる中



校舎の端、真っ暗な教室で




私の恋は終わった




私にできることは もう



ただ先生の幸せを




誰にも知られない場所で




祈ることだけだ―――――――




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