Strawberry on the shortcakes



「結にオレは必要だった
でも
絆にオレは必要ない」



「………そうだな」



「何もかも変わってしまった
だけど
オレはそれが嬉しい

寂しい気もしますよ、正直ね。

でも、やっぱり
オレが要らないくらい幸せなら
嬉しいです

結だって、オレが要らないくらい
幸せだったら良かったんだ」



結だって
絆みたいに………

いまさら言っても仕方ないけど




「絆ちゃんは……
柊の事をどう想ってるのかな?」



高野先生は考え込むように


「柊が言う『幸せ』って結局は一般論だし

絆ちゃんが柊の事を……」


「高野先生!」


オレは高野先生の言葉を遮り


「紗智が45の男を好きだと言ったらどうします?」



高野先生は渋い顔をして



「………認めない」


小さく呟いた



オレはうなずいて



「高野先生。紗智には大学行って『一般論な幸せ』を歩んで欲しいでしょう?」



「…………娘だからな」



「絆だって同じです」



絆に愛情を注いでくれた両親がいる



オレにしたら
神様みたいな人たちだ



『ありがとう』と何度頭を下げ感謝しても足りない




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