あじゃあじゃラブリー
「な・・・・なにするの?」

あわてて 外に出ようとした 私の肩をヨシキはつかむと 自分の方に引き寄せた

「忘れちまえよ!!お前に辛い思いだけさせる あいつの事なんて 忘れちまえよ!!
 お前だけ見てきた 俺に目を向けろよ!!」

そういうなり 私を強く抱きしめて強引に唇を重ねた。

【・・・・そうだよね・・・・・そうだ・・・・】

そんな思いがふとよぎった・・・・

アッコさんの言うとおり 私は俳優をしている彼の彼女にはふさわしくないのかもしれない・・・

そう思ったら・・・・抵抗する気もうせて 私は 泣きながら ヨシキの抱擁に応えて
いた。

【bye bye・・・・・私の恋・・・・俳優相手の 恋愛なんて 私いい思いさせて 
 もらったよ・・・・】






あいつへの思いをふっきろうと仕事に没頭し・・・・ヨシキの気持ちに応えようと

ヨシキとデートを重ね・・・・・が・・・・あいつの事が頭から 完全に消えることは

なかった・・・・いつも なんだかもやもや・・・・・

あいつへの思いを引きずっているのもわかってはいた・・・・


こういうのを 人は『未練』というのだろう・・・・


ヨシキは そんな私を責めるでもなく 黙って愛しんでくれた・・・・




そんな ある日 こんな朝刊の記事が目に飛び込んできた。


「大出 旬 再起不能か・・・・」


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