ホスト☆ガール

 「は……?」

びっくりしたあたしが
小声でつぶやくと、
ギリシャ彫刻はあたしを
チラリと見つめた。

その瞬間、
ゾクッとなぜか寒気が
走る。

あれ?
あたし、どうしたんだろ…


 「え、それってさ」

俊広さんが問う。

 「慧太が、ヘルプの教師役
 するってこと?
 いつもは、そういうの
 めんどくさがってなかった?」

 「んー
 まあ、そうでしたけど…たま
 にはいいかなって。
 それに、この子にとっても
 俺につくのがベストでしょ」

そう言って、チロリとあたしの
方を向くギリシャ彫刻。


ゾワワッ

…まただ。また寒気が走る。

なんでだろう?
普通なら、超美形に見つめら
れて、テンションあがるとこ
でしょ、これ。

あたし…
ひょっとして潜在意識とかで
この人、苦手なのかな?


そんなあたしの心中に、
全く気づかず、俊広さんは
言った。

 「確かに、慧太はNo.1
 だしなあ…」

案の定、ギリシャ彫刻は
No.1だった。

 「でしょ?
 俺、めちゃがんばりますよ」

 「そこまで言うなら…
 慧太にお任せしようかな」

 「よっしゃー!」

ギリシャ彫刻、慧太はガッツ
ポーズをして喜び、

ゾゾゾゾ…ッ

またあたしの方に、蛇みたい
な視線をよこした。

あたしが、またまた寒気に
襲われたのは言うまでもない。

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