ホスト☆ガール


―――――――――――
――――――……


 「夏輝ぃ~?
 なんか顔色悪いけど大丈夫
 ぅ??」


………………………!

その声に、あたしはハッと
我にかえった。

見れば心配そうにあたしを
見つめるお客さん。


 「大丈夫だよ」

笑いかけると良かったぁ
と微笑み、

 「里桜と一緒にいるのに
 里桜の知らない他の女のこと
 なんて考えないでぇ」

と言う。


痛みまくりの金髪を
ボリューミーに盛って、
パンダみたいなアイメイク
につけまつげ。

ゼブラ柄のドレスと高い
ピンヒールを身につけた
里桜ちゃんは風俗嬢だ。


 「他の人のことなんて考えて
 ないよ」

あたしがそう言うと、そぉ?
なんて首を傾げる。

………まあ、実際は他の人の
こと考えてたけど。

女じゃなくて男だけどね!
しかも、あなたも知ってる
ここのホストだしね!(笑)



 「でねっ、聞いて夏輝!」

あたしの心中に気付く
はずもなく、話を続ける
里桜ちゃん。



彼女とその友達(仕事仲間)の
サキちゃんは慧太さんを指名
でやってきた。


だけど、里桜ちゃんはあたし
を見るなり、肝心の慧太さん
よりあたしに話し出した。

 「慧太のヘルプなのぉ?」

から始まって、彼女はいる
か、好きなタイプ、あげくは
好きな体位まで質問責め。


慧太さんよりあたしがタイプ
だと言うけど。




…………なんかそれ、素直に
喜べない。

フクザツ。


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