Symphony V
まだかまだかと待ち望んでいたライブは、気づけばあっという間にその日を迎えていた。

朝、いつもは入らない時間帯だったが、明日休みをもらうため、ライブ当日ではあったが、朝からバイトに入る。

「いらっしゃいませ」

お客が入ってくると、元気よく唯は声を出した。納品された商品を、1つ1つ確認・検品しながら、棚に陳列していく。

「唯ちゃん!ごめん、ちょとレジお願いしていいかな」

大学生の康之。いつも朝の時間帯に入っている。
両手を合わせて、拝むように唯に言う。

「あ、はい」

唯は手に持っていた商品を棚に置くと、パタパタとレジカウンターに入る。康之はありがとう、と笑うと、店の外へと出て行った。


あぁ…友達…いや、あれは彼女かな。


康之を目で追いかけていくと、その先には女の子が数人と、男の子が数人の姿があった。女の子の中の1人が、康之の腕をつかんで何かを言っている様だった。


大学生かぁ…


中学時代は、高校生に憧れていた。
でも、今は、大学生に興味がある。


大人って感じで、なんか、かっこいいなぁ。


自分でも不思議なくらい、年上は無条件でかっこよく見えている。
まぁ、誰でもというわけではないが、比較的、そう、思う人が多い気がした。

「すいません、これ」

「あ、はい。157円です」

置かれた商品をスキャンする。ぽんっと、男の人は1000円札を置いた。

「袋、要りますか?」

お札を取って、おつりをレジから取り出しながら聞く。

「あぁ…いや、いいです」

「ありがとうごあざいます。はい、843円のお返しと、レシートになります」

そう言ってお釣りを手に乗せる。
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