Symphony V
真相に近づいていると思っていたら、突然つきはなされた感じ。

唯は深いため息をついた。

「ほら、唯!ため息が増えてるぜ?」

レオンに言われて、唯は笑った。


そういえば、レオンはオルトスなんだよね。
…で、それを追ってるのが、父親のキアリー。


お互い、ほんとに知らないのかなぁ…


「ね、レオン」

「なんだ?」

唯はこそっとレオンに聞いてみた。

「あのさ、キアリーのライブって、オルトスの現れる場所ので必ずやってるんでしょ?何でなの?」

聞くと、あぁ、とレオンは肩をすくめた。

「親父のSPな、あれ、みんなFBIなんだ」

「えっ!?」

思わず大きな声が出た。

「どうかしたか?」

村儀に聞かれて、唯はなんでもない!と首をふった。

「ご、ごめん…」

レオンに謝ると、苦笑しながら続けた。

「親父は世界的に有名なミュージシャンだからな。どこでライブやっても違和感がない。
そこに目をつけたんだろう。FBIは国外での活動は違法行為にあたる。
だが、オルトスはどうしても捕まえたい。ま、何て言っても、活動拠点は基本的にアメリカだからな。
…まぁ、正直、ICPOなんかに、先を越されたくないってのもあるんだろ。
そんな理由もあって、親父に協力要請が入った。だから、親父のライブ先では、オルトスが現れることが多いってわけだ」


なんか…ル○ンととっつぁんみたい…


なんだか可笑しく感じて、唯はクスクスと笑った。
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