Symphony V
ホテルに戻ってからというもの、レオンが傍を離れようとせず、常に隣にいた。

「ねぇ、レオン。心配しなくても大丈夫だよ?こんなに沢山の人がいてくれてるんだし」

唯が苦笑いを浮かべながら言うと、レオンははぁ、と息を漏らした。

「どんだけ警備が厳重でも、唯が逃げ出したりしたら意味がないだろ?」

レオンに言われて、返す言葉がなかった。

「頼むから、急にいなくなったり、一人でどこかへ行こうとしたりしないでくれ」

レオンの言葉に、唯は少し肩をすくめた。

「唯にまでなにかあったら、稜夜に顔向けできねーよ」

呟くレオン。唯はその言葉に、チクッと胸が痛んだ。

「…大丈夫だよ。ちゃんと抜け出さずにいるから」

苦笑する唯に、レオンは疑いの眼差しを向けつつ、傍から離れようとはしなかった。
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