Symphony V
唯が首を傾げると、レオンは眉間にシワを寄せて、怒りの色を目にともしていた。

「稜夜の母親が亡くなった時から、あいつは少し変わった。俺達に対する接し方は変わらなかったけど、あいつの父親や、周りの人間に対して、極端に興味をなくしていったようだった」

「えっ…」

唯は言葉が見つからなかった。

「自分の好きなように生きる。自分の自由は自分のものだ。そう、思いたくて、感じたくて。いつも、あいつは苦しんでた。唯一、2人で美術品を眺めているときだけ、あいつは穏やかな表情を浮かべてたよ」


涙が零れた。
同情とか、そんなんじゃなくて。
ただただ、悲しいと感じたから。


涙が止められなかった。

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