Symphony V
「…遠慮なんてするな。本当は一人が怖いんだろ?」

何もかもお見通しといった表情で、レオンが苦笑いする。唯は少し困ったような表情を浮かべた。

「そんなこと……顔に出てた?」

昨日あったばかりの人に、こんなに甘えていいものだろうかと、正直、自分でも不安だった。
迷惑なんじゃないか、とか。
本当はうざいと思ってるんじゃないか、とか。

だけど。

「出てるよ。すっげーわかりやすいし」

くすっと笑ってレオンが言った。

「無理するな。そっちの方が心配になる」

くしゃっとレオンが唯の頭を撫でた。唯は少し、はにかんだ。

「ごめんね。お言葉に甘えさせていただきマス」

軽く頭を下げると、レオンは笑って頷いた。


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