真夏の太陽


「そろそろ帰ったら。もう十時」

「あ,はい」

十座は慌てて帰り支度をする。

「神城。行ってこい」

「…聖名さん。明日は俺が観に行きますから」

「は?」

「明日は午後から練習ないんですよ。じゃ。今日はありがとうございました」

「あぁ。またな」

「はい」

十座の背中を見つめ,聖名はため息を吐く。

「困った後輩だな」

その横顔は,どことなく,嬉しそうにも見えた。



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