真夏の太陽

明日



試合の翌日。

野球部の練習後,夜九時半。

聖名が十座の家を訪ねてきた。


「なんですか」

「いや,なんとなく」

「…とりあえず,どうぞ」

「どーも」

十座の案内で,部屋に上がる。

「神城」

「はい」

「…負けたよ」

「…」

笑っている。でも,どこかぎこちなく,今にも泣きそうな顔をしている。

「なんで,笑ってるんですか」

「えっ…」

「泣けばいいじゃないですか!悔しいんでしょ」

十座は,自らの眼に涙を溜めて,そう言った。


< 91 / 150 >

この作品をシェア

pagetop