キ ミ イ ロ
──・・・聞かなくてもわかっていたんだ。
『お父さん、今日からいないよ』
『どうして?』
いいよお母さん、誤魔化しはすぐばれる。
もうさ、
『離婚したの』
って言ってくれれば、きっと自分は理解できた。
子どもじゃないんだ。
わかっていた。
あのお父さんの怒鳴り声の意味だって、
自分の泣く意味だって、
何かが落ちる音だって。
──・・・あの心臓に響く花火の音も。
全部、全部、
意味を持っていたのに。
『ごめん』
愁が謝る意味、それは……
夏休み、わかるんだって。