年下騎士
「うー……
香ぅ…遅いよー」


その後、香は有先輩と共に去っていった。
今日は香と帰る約束してたから、教室で待つことにした。




何分待たせられているんだろう?



香は有先輩とラブラブだから、しょうがないかもしれないけど…


もう夕日が見えかけてるよ?香。




「香は親友より彼氏を選ぶのかー」


もう、どうにでもなれという感じに私は教室の机に寝そべって、


香の「ごめんごめん!待った?」の言葉を待っていた。



「だから彼氏は嫌なのよー」


何故か有先輩に八つ当たりして、この微妙にむなしい状況を過ごしている



ガラガラッ



それまで、不気味な程にシーンとしていた教室に、ドアが開く音が響いた。



「香?!」


勢い良く顔を上げて、ドアの向こうをみた。


「……………あっ……ごめんね、…待った?」



ん?
なに?
この聞いたことのない、歯切れの悪い「ごめんね、待った?」は!


「なになに!?香!あんた、その真っ赤な顔は!」


「えっ?…………えーと…」



香はまるで林檎のように耳まで赤くなってる。


こういう時には勘が働く私は



「…有先輩となんかあったね?」
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