お隣さんのSweetな王子はBlackな王子

保健室です。


気が付くと、世界が白と柔らかいオレンジ色だった。

「は?なに、これ…」

すると、左側から黒い何かが動いた。

「目、覚めた?」

視界がぶれているのが、だんだんとわかってきた…。

「白…崎…くん?」

「ここ、保健室。」

あぁ。オレンジの…カーテンか…。

「お前、あそこは立ち眩みだけですんだだろ。」

微笑みの王子降臨(コウリン)!?

いえ。これは微笑みの悪魔降臨です。

私はスッと目をそらす。
そして小声で

「そんなムチャな…」

あれは結構、痛かったよ。
つか、今もちょっと痛いし!

「…何?」

私の目をみつめて聞いてくる。
今の声、聞こえちゃったみたいですね。
まぁ、こんな静かな保健室ですから。

ん、でも…
笑顔は怖いのに…


か…かっこいい…

っておいっ!!←自分ツッコミ。

「もう一回言ってみな。」

その悪魔はさらに顔を近づける。

私は顔をそらすのに精一杯。

でも理由は考える。
たぶん、寝不足。

引っ越し、昨日だったし。
それに…あなたにも会っちゃいましたから…
そりゃ、色々考えてたら…寝るのが遅くもなりますよ。

「言いたいことあるなら言わなきゃね。」

この悪魔に…寝不足なんて言ったらバカにされそうで嫌だ。

「言わないとキス、するよ?」

な…!!キスは…嫌っ!!

「ね…寝不足です。」

うん。キスはいや。

って顔が近いっ!!

反射的に手で相手をガードする。

しかし簡単にその手を腕ごと押さえ込まれる。

怖くて目をつむる。

「…ダメ。」


< 100 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop