お隣さんのSweetな王子はBlackな王子

「夕希、ただの貧血だからそんな心配しなくても…」

「え…貧血?」

目をパチクリして私を不思議そうに見つめる夕希。

「昨日、引っ越ししたんだし…ね?あんまり王…(じゃなくて)白崎君を攻めなくても良いと思うよ…」

「それでも駄目じゃない!!そうゆう事も含めて藍をみてなきゃ!!」

王子の顔はさっきよりもっと苦々しい顔になり、うつむいてしまった。

「私、傷害事件とかの可能性はなくは…ないから、少し考えちゃってね。だから…すごく…心配してたのよ。携帯も繋がらないし…。
でも、本当に怪我とかなくて良かった。」

やっと落ち着いてきた夕希はさっきまでの黒と紫のオーラを消し、ホッとしたように答えた。

「そうね。白崎君にはちょっと言い過ぎたわね。ごめんなさい?」

「いや、ちゃんと藍を見れてなかったのは本当の事だから…やっぱり…」

王子はそこで一回言葉を切り、私の目をみて「ごめん。」と言った。

「こんなんじゃ、彼氏失格だな…。」

ん?

「いやいやいやいやっ!!まだ彼氏なんて私認めてないっ…か…らっ!?」

ぎゅ…



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