最高級の召使
立ちすくむ私に気がついた要之助は
一瞬たじろいたが
他人のように
ローサと横をすり抜けた。

香水の匂い・・・・



負けない・・・・



「要之助・・・」



立ち止まったローサは驚異だった。


美しい黒豹が
私を見つめる・・・・・


追い詰められた
バンビのような自分・・・・


立ち向かう勇気を・・・・・



「何?」


要之助は冷たく言った。


「ローサさん?」


ローサは怪訝な顔をして
私と要之助を見比べた。


「そう・・・
わかったか?
勝ち目はないだろう。」
崩れ落ちそうな私をさらに
鋭い言葉のナイフで突き刺した。



私はその場を逃げ出した。

恥ずかしい・・・・
ありえない・・・・
悔しい・・・・


エレベータを降りると
倉之助が立っていた。
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