最高級の召使
最高級の男
しばらくお互いの心臓の音を
聞いていた。


「ローサは最後は幸せだった?」
私は気になっていた
ローサの話を勇気を出して聞いた。



「と…思いたいけど…
『一緒に生きて行きたい』
何度も何度も口にした。
あれからローサの容体は悪化して
ヨウの卒業式の一週間前に
神様が子供のところに連れて行った。
それまで悔いの残らないように
ずっとそばにいた。
最後に言ったんだ。

『ほかに愛してる人がいるの
わかっていたの。
わがまま言ってごめんなさい。
ただ私には時間がなかった・・・・
許してくれる?』って・・・・」



ローサの無念さが感じられた。



「私に時間があったら
未来があったら
あなたをあきらめられるのに

ローサはそう言った。
俺はさ・・・
ローサのそばにいながら
違う人のことばかり考えていたんだ。
罪悪感でローサの前では
一杯だったから
そんな俺をお見通しだったって
俺はひどい人間だなって
思ったよ・・・・」




ローサ・・・・
ごめんなさい・・・
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