こよみの空
第一章
子供ずれの親子、はずかしそうに手を繋ぐカップル、
出店でりんごあめをかっている子供、金魚すくいをいい大人が本気な目をしている風景・・・どこにでもある世間ではお祭りと呼ばれるものだ。
「お~い、はやくこいって!」
僕が鑑賞に浸っているとまぁ世間でいう合コンのようなものが今まさにこれから始まろうとしてあた。
「じゃあまず、みんな集まったし!自己紹介から」
決まり文句でスタートした合コン。
僕ははっきりいうとこんなものに興味はなかった。
というか、行っていいものなのかも疑わしかった。
そもそも僕はもうすでに彼女というものがいた。
あっちから告白してきたので・・・いや、正確には断る理由がなかったのでになる。
特に気になる異性もいなければ、当時彼女もいなかったとなれば大抵の思春期真っ盛りの高校1年生なら食いつく話だろう。
でも僕はそんななかでこの合コンに参加している。
「~♪」
僕の携帯がなると同時にタイミングがいいのか悪いのかほかの男子メンバーが
一生懸命考えてきたであろう自己紹介を踏まえた上での僕の番は、名前と部活を投げておけば良さそうだ。
「ちょっとmailきちゃった

僕はそう言い残すと
みんなに背を向け、携帯を開いた。
from:弥生
──────────
ねぇ今どこにいるの~?
会いたいよぉ
-------END-------
──────────
mailは現在彼女という
弥生からのものだった。
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