年下彼女のご機嫌いかが??
しゃがみ込んでいた姉ちゃんに、



俺はそっと後ろから腕を伸ばそうとした。



姉ちゃんの目から流れた涙を見たら、



もう感情を抑えられなかったから。



………けど、



『ただいまぁ~。久々に懐かしいお友達と会っていて、遅くなっちゃったわぁ~』



玄関から聞こえた母ちゃんの声。



その声に反応するかのように、



俺は姉ちゃんを抱きしめようと伸ばした腕を引っ込めた。



姉ちゃんも慌てて、涙を拭く。



俺も姉ちゃんのそばから離れた。



このタイミングで帰って来た母ちゃんに、



俺は感謝すべきなのか、



少しイラつきながら、



『彼氏に優しくなぐさめてもらえよ…』



姉ちゃんに向かって投げつけるように、



嫌味なひと言を言っちまった。

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