あわい恋と約束

『私はね、新田君と同じ
高校や大学に行きたいの

だけど父が1番の高校へ行けって

大学は好きな所へ行けばいいからって』



おそらく、オヤジの意地なんだろう

中学生の俺でも分かる。



だけど、俺と石元の学力は
そんなに違わないはず。


『ねえ、やっぱり陸上するの?』



「当然! 石元はテニス?」



『うん、そのつもり』



「じゃあクラブで会う事ないね」



『残念だけど、競技会見に行くねっ』


俺達はお互い気持ちを、

正直に伝えた事はない。


いずれは伝えないと、

仲の良い友達で終わってしまう。




< 155 / 202 >

この作品をシェア

pagetop