戦場に、一輪の花が咲いた
醜く美しい心
朝、こんなに殺気立たずに目覚めたのは何年振りだろうか。



ライルは朝の日差しを浴びながら平和なこの地での二日目を迎えた。



あまりにも早かったものでウェンディもまだ寝ている。



ライルはなんとなく、昨日のあの教会に足が向かっていた。



「この時間に、いるはずなんてないのにな。」



また会えるかもしれない、なんて淡い期待を胸に白い建物の前。



「…マオ?」



その期待が文字通り神に願いが届いたというかのように、リリーの声が背後に響いた。
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