15歳のキミは。アナタは。

泣くということ


夏が来たことを蝉の声が知らせたように感じた
辺りはむさ苦しいくらいに暑さを増していく
こんな日は冷たいミルク色のアイスにひんやりとした苺のシロップを上からまんべんなくかけたかき氷を食べたい等、ごく自然な事を俺は考えてた
だけど、暑さはそんな俺の考えとは裏腹に着々と暑さを厳しくするだけだった
だからなのか、次第に暑さにやられた俺の頭は苛々まで積もっていくのだ

水を飲もうと片手にもつペットボトルの蓋に手をかけて飲もうとするがやはり水は温くなりその役目を負わない

「…チェ、温暖化め」
俺の声も虚しく蝉の五月蝿いくらい鳴る声と近くを通る古びた列車でかきけされるだけだった

近くには家から自転車で30分は余裕で掛かるだろう俺の通う学校があった
看板には夢川中学校とありいったって普通だ
中学校の隣のグランドには大会を間近に控えた野球や隣にはサッカー部が汗を流しながら練習に励んでいる姿が見えた

「よーやるわ」
こんな暑い中…、と呟く
火照る頬に癒しを求めるかのように運動部の子が更衣室へ行くために通る道の近くの水道で足を止める
それとほぼ同時に噴水のように蛇口から水が飛び出した

「えっ…?」
何故だろう、と目を細めると俺と同い年くらいの少女が楽しそうに靴を水道の下に置いたまま裸足で遊んでいた
「……白い妖精だ」
俺は呟きながら服が濡れているにも関わらずそのまま少女を眺めていた
するとこちらに少女は気付いたかのように先程までの無邪気さは消え慌て始める
あまりの変わりように俺は吹き出して笑いだしてさまった
横目でちらっと見る少女はキョトンとしていた
やはり俺は頭をやられたのか、と思ったほどだ
「…っはは、ごめん。俺の名前は…美咲。鈴木美咲(スズキミサキ)。キミは?」
笑いがおさまると半ば涙目で問う
「…めい」






それが初めて俺とめいが初めて交わした会話だった
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