Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

☆攻撃☆


次の日学校に行き上履きを履こうと靴箱を開けた


えっ……


な、にこれ……


「萌音???」

「あっごめん、忘れ物しちゃった先に行ってて!!」


「萌音!!!」

変に思って話し掛けて来た杏ちゃんを振り切り
私は中庭に向かって走り出した




中庭まで全力で走り
誰も居ない事を確認して立ち止まった


ハァ、ハァ…


息を切らしながら
下駄箱から杏ちゃんに見つからないように持ってきた靴を見た


なんで……


どうして……


こんなの現実じゃない…


私の手には真っ黒にマジックで塗り潰された上履きがあった


頭が追い付かない


誰が…?


なんのために?


黒くなった上履きを見て涙が零れ落ちた


「うっ…ヒック…」



朝のホームルームに出る事も出来ず私は一人中庭で泣いていた





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