Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


「1週間ぐらい前から…」

私が答えると


「誰がこんな事…」

って怖い顔で呟いた


「萌音、何で俺に言わないんだよ!!」


そぉ言ってバンッと音をさせ下駄箱を閉めた


何で俺に……


その言葉を聞いた瞬間私の中で何かが弾けた

「…んで…じゃない…」


「えっ…」


「何でじゃないよ!!大羽君が大好きだからに決まってるじゃない!!」


言った瞬間から涙が溢れて止まらなくなった


「萌音が昴君に嫌われたくないって…嫌がらせを受けるような彼女じゃ…大羽君が可哀相だって…だから言わないでって…」


あんなに必死に泣く萌音を初めて見た


それだけ大羽君を好きって事でしょ……


「沢田さん…」


「萌音は世界一優しい子なんだよ…だからこれ以上悲しい顔見たくないの…」


大好きだったお母さんを去年亡くして


それだけだって辛かったはずなのに


今度は嫌がらせなんて


悲しすぎるよ………




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