Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


カーテンから差し込む夕日が私達を照らし出す


黙って抱きしめてくれていた昴君が


「弁当片付けなくちゃな…」


って言いながらグチャグチャになった床の上に視線を移した


「うん…」

せっかく頑張って作ったのにな


「ごめんね…お腹すいたよね」

「平気だよ!また来週楽しみにしてるし」



そぉ言って笑ってくれる昴君の横顔を見ながら


二人で調理実習室を片付け始めた





片付けて始めて20分

ようやく全部綺麗になった調理実習室をあとにして


しっかりと手を握り締めながら玄関まで向かう途中

今日昴君が部活があった事に気付く


「あっ…昴君、部活…」

寄り添いながら尋ねると


「今日は休むから!萌音の方が大事だしな…」


って言いながら
繋いでる手を更に強く握りながら私を見つめる


いつもはこんな事言われると
真っ赤になっちゃうんだろうけど


今日はそんないつも通りの昴君の態度にホッとしてしまう

お互いに見つめ合い微笑み合って


また歩き出した

「犯人…必ず見つけるから…」

昴君が真っ直ぐ前を向きながら呟いた



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