Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜


「ごめんなさい…私、本当はあの場にいたの…」


目に涙を浮かべながら


見つめ返すと


「そっか…」


って言って頭を優しく撫でてくれた


「ごめんね…私のせいで…」


涙声で精一杯口にする


「何言ってんだよ。俺が決めた事じゃん。萌音は悪くないよ。

それに生徒会長も本気で萌音の事好きみたいだし…」


昴君……


今すぐ抱き着いて泣いてしまいたい


そんな衝動にかられるのを


グッと堪える


そんな私の頬を今度は両手で優しく包み込んで


「それに、これは俺のケジメでもあるから…」


って真剣な顔して言葉にする



「だから、もし勝ったら…」






口を開きかけた時



『実行委員会の生徒は至急会議室に戻るように!』


青矢先輩の声で校内放送が流れた


青矢先輩…


その声を聞くとなんだか自分がいけない事をした気分になってしまう


「…ハァ…行くか…」


昴君は溜め息をつきながら小さな声で呟くと


身体を離して会議室に向かって歩き出した



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