Sweet〜甘クチ王子様と夏の恋〜

☆怪我☆


その日の放課後

私は調理実習室でレシピを見ながらお弁当を作っていた


玉子焼きにキンピラ、卯の花に、温野菜サラダ、から揚げ、三色おにぎり…

昴君が喜ぶ顔を浮かべると自然と笑顔になる

美味しいって言ってくれますように…


最後にこの間の抹茶のムースをアレンジしてミニパフェを作った


「出来た!!」


声を上げると周りに居た料理部の友達が見に来た


「あっ!萌音ちゃんの美味しそぉ!」


「本当!?」

嬉しそうに聞くとみんなが褒めてくれた


やっぱり和食にして正解だったみたい


大会まであと2週間…

今日昴君に美味しいって言って貰えたら自信が付くかも


そんな事を考えながら時計を見ると待ち合わせの時間が迫っていた


あっ!!行かなくちゃ!!


私はお弁当を包みに入れると

友達に手を振り調理実習室を後にした




「急がなくちゃ…」

慌てて走りながらグランドの脇を通り過ぎようとした時

体育館から調度出てくる昴君が居た


あっ…

「昴君!!!」


私が嬉しくて大きな声で叫ぶと

昴君が振り向いた




その時だった……

「萌音!!危ない!!」

えっ…?


その声に振り向いた時にはもぉ遅くて

野球部が打ったボールが誤って私目掛けて飛んで来ていた


私はとっさに右手を顔の前に出してよけようとした


−−−バンっ!!!


凄い音と共に私は気を失った…


「萌音!!!」


遠くから昴君の声が聞こえたような気がした………


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